研修会・セミナーの報告

第27回食育セミナー「ハート♥を食事でプレゼントPart5」

2011年8月8日〜8月9日
会場:みなみかぜ地域交流センター(埼玉県川越市)

~参加学生の学びを中心に~

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第27回「子ども自身がリーダーになる食育セミナーが、川越市の社会福祉法人健友会みなみかぜ地域交流センターで、8月8日(月)と9日(火)の2日間開かれました。例年は宿泊での開催ですが、今回は日帰り開催です。また、”さかな丸ごと探検”学習が追加されました。参加者は、子ども達、お姉さん役やキッチン担当の学生、大人スタッフ、地域の方々合わせて計43名でした。

今回、セミナーの準備段階に関わらせていただき、メールや郵便でのリレー方式の企画の積み上げを経験し、今までのセミナーから得た知見をベースにした第27回セミナーの開催の重さを、とても感じることができました。

以下、事前準備から終了後のミーティングまでを参加学生のトレーニングも含めて報告いたします。

大人スタッフは、最後の打ち合わせで一堂に会しましたが、その間の打ち合わせは事務局も含め各自が業務の合間に個々に調整し、パズルが組み合わさり1つの絵になっていく過程を見ているようでした。一方、学生スタッフの事前学習は、短い打ち合わせも含め計7回行われました。セミナー参加希望学生は14名でしたが、7名の学生が準備から終了まで、また他7名の学生は主に「さかな内臓探検シアター」の教材作成に関わりました。

8月7日(日)前日準備:
食育セミナーのねらいと流れや役割の確認、会場設営、学生への食事づくり教材料理の学習と支援ポイントの確認を行いました。

8月8日(月)第1日目:
7時30分にスタッフが集合し、打ち合わせと最後の会場設営を終え、子ども達の到着を待ちました。当日の学習内容の概要は以下のとおりです。

開校式→レクチャー①「お年寄りについて」→レクチャー②「主食・主菜・副菜」

→昼食(レクチャー②を活かしたバイキング)→レクチャー③「さかな丸ごと探検」 →レクチャー④「私とさかな」→地域の方とのほっとタイム①「おやつを食べてインタビュー」(自己紹介、地域の方々の好きな料理も把握)→デザートづくり(2日目夕食パーティ用の桃シャーベット)→夕食づくり・夕食(一連の学習をふる活用した食事づくり)→片づけ→解散→スタッフミーティング

8月9日(火)第2日目:
田んぼ観察(ビオトープに素足で)→レクチャー⑤「3・1・2弁当箱法」・昼食→夕食パーティの計画(1日目に来ていただいた地域の方々へプレゼントするお弁当メニューの検討・プレゼントカード・ボードの作成)→夕食パーティの準備→地域の方々とのほっとタイム②、夕食パーティ(子ども達がプレゼント弁当の内容発表、地域の方々からのご意見・感想)→閉校式→解散→スタッフミーティング

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学生自身の学び

終了後、学生は学習したこと、課題や今後の展開について自己評価をレポート形式で行いました。

学習したことでは、「子ども達の集中力や吸収の早さを引き出し、自ら進んで実習・学習に取り組むことのできる環境を作ることが、お姉さん役の私達に必要な力だと気がついた」「難しかったのは”自ら”を重視すること、特に小学生は学年によって自立度が異なり、低学年ほどなんでも面倒見てしまいがちになった。子ども達の意見を受け止め、なぜそう考えたのか、どんなことを学習したからそう考えるのかという導きの力が求められると思った」「子ども達が同時に話すことを公平にどのように受け答えたらよいか、講義中に遊んでしまうことについての注意の仕方等について難しい」「教える際に、ただ言葉を並べて説明するだけでは理解してもらえないこと、知っている言葉の少ない子ども達に分かりやすく、興味を抱いてもらえるように伝える力が必要」「遊び相手や料理を作ることだけでなく、子ども達に近い目線で、子ども達主体に”食”が楽しいものであることを伝える手助けをすることだと感じた」など、自分達の役割について再考していました。

また、具体的な支援としては、「イワシの手開きに興味を持って取り組んでいた。やり方がわからないところも、少し教えてあげることで、きれいに開くことができていた」「学生スタッフは、子ども達にとってみれば、分からないことを聞いたら教えてくれる大人だと思っているようだった」が挙げられていました。

今後の自分自身の課題解決としては、「学習目的は、テーマに簡潔に表れている! テーマを念頭に行動すること、テーマにそって作成された教材をよく見て実施すること」「よりスムーズに子ども達を支援するためには、事前に本物の魚の内臓で位置を理解したり、実施予定の料理を試作するなど準備すること」「教材の完成イメージが学生によって異なっていた、何をするにも最初にイメージを共有すること」等が挙げられていました。

準備段階から終了時のミーティングまで、学生各自の学びは予想した以上に多かったことがレポート内容や発言からわかりました。力強く書かれていた学生の言葉は、「自ら作った料理をみんなで食べる喜びはすばらしく、このような過程を通じてできた料理は、普段何気なく食べているご飯よりも何倍も美味しく、作る喜びを感じている子ども達に感動した」や「子ども達の元気な姿や学習に向けられるパワーに本当に感動した」でした。また、「食事の大切さや食事を作ってみんなで食べることの楽しさを自分自身が学んだ」ともありました。

私がこのセミナーの醍醐味を特に感じた場面は、2日目最後の「お年寄りにハートを食事でプレゼント! 夕食・パーティ」でした。セミナー開始の自己紹介で恥ずかしそうに、それもとても短く自己紹介していた子ども達が、この時間は見違えるようでした。自分達の気持ちを夕食のお弁当に詰めて、自分の言葉で心を込めてしっかり地域の方々に伝えていました。

短いセミナーでしたが、子ども達の持っていた力が引き出され、育てられる様子を目のあたりにした2日間でした。食育は食を通じて生きる力を育てると言われますが、まさにそうでした。今回参加の機会を得た学生達も同じ思いだったのではと思います。

少し残念だったことは、宿泊での朝食づくりの機会が今回は取れなかったことですが、日帰りの新たなバーションができたとも言えます。

文責:田中久子(女子栄養大学・フォーラム運営委員)

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