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2021-11-30

母と暮らして思うこと

母は、10月20日で91歳になりました。

新型コロナ感染症が起こる前は、母は町内会の行事やカラオケにも参加していましたが、行事もなくなり、認知症の母にとっての楽しみは食べることくらいしか無くなってしまいました。
以前は散歩をしながら買い物をして、帰りに近所で昼食を食べて帰ってくるのも楽しみの一つでしたが、それもなかなか出来ない日が続く中、足も弱ってきました。

私の退職後に母と暮らすようになって2年が過ぎ、母を目の前にして30年後の自分を見ているようで考えさせられることが多い毎日です。

加齢に伴い、味覚が低下してきますが、基本五味のうち、特に塩味において、味を感じにくくなり、低下を補うために塩分の強いものや、過剰に甘いものを好むようになるそうです。
母は認知症で、最近の出来事(エピソード)についての記憶が著しく低下してきており、食事をした後でも「何か甘いおいしいものが食べたいねえ」と言い、どら焼きを食べ「おいしいねえ」と嬉しそうな顔は幸せそうです。

認知症予防の食事は、管理栄養士としては、バランスの良い食事、塩分を控える、間食・糖分を控える等…と頭では解っていても、甘い物を食べた時の母の顔が浮かんでしまいます。

「病気を防ぎ、健康を維持しながら、楽しく、おいしく食事を摂る」ことは、いきいきとした活力のある生活を可能にするものでもありますが、老後をどのように過ごしたいのか、私の永遠のテーマかもしれません。

 

 

 

 

 

 

原田由美子(フォーラム理事)