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2023-05-08

雪山を登る ―― 木曽駒ケ岳

3月20日に木曽駒ケ岳に登りました。

木曽駒ケ岳は、長野県上松町・木曽町・宮田村の境界にそびえる標高2,956mの山で、中央アルプスの最高峰。日本百名山の一つです。

3月下旬とはいえ、標高2,612mの千畳敷カールは一面の雪。ここ数日の暖かさで前日には雪崩があったらしく、そのあとがくっきり残っています。この日のために、数十年ぶりに12本爪のアイゼンとピッケル、ヘルメットを購入しました。

真ん中に見えるのが雪崩のあと

朝7:30、千畳敷カールを出発。雲一つない晴天。空の青と雪の白と山肌のグレーのみ世界です。息をのむようなこの青空は「木曽駒ブルー」と呼ばれているそうです。

最大斜度40度ともいわれる雪の壁を登っていきます。左側には雪崩のあと、怖い……。久しぶりのアイゼン歩行はドキドキですが、ウキウキ・ワクワクする楽しい気分でもありました。息を切らして上を見上げると、木曽駒ブルーの空。周りには私たちのほか誰もおらず、ひんやりと冷たい空気が頬をつきます。

急登を登り切り乗越浄土からは、稜線歩きになります。風が強く寒さを感じ、改めて雪山にやってきたと実感。西風を受けながら、2,925mの中岳山頂に到着しました。ところどころ岩肌が出ているので、アイゼンが引っかからないように慎重にすすみます。目の前には、目指す木曽駒ケ岳が、「待ってるぞ」とそびえていました。

10:00、木曽駒ケ岳山頂に到着。雲が少し出ていますが、360度の絶景です! 富士山はもちろん、昨年登った甲斐駒、千丈、北岳などすばらしい山々。ここ2~3年、山頂で晴れたことはほとんどなかったので、しっかり目に焼き付けました。

山頂にて

 

頂上からの絶景

風が強いので、岩かげでひと休みし、将棊頭山から縦走してきたお兄さんたちと楽しくおしゃべりして、下山開始です。

登るのがとても大変だった千畳敷カールの下りは、ザックセイドです。ザックセイドとは、ザックをお尻に敷いて、そりのように滑ること。しかし、暖かさで雪がシャーペット状になりかけており、思ったようにはすべりませんでした。

で、最後はお遊び雪訓(雪上訓練)。キャーと言いながら滑落して、ピッケルを雪面に突き刺し停止するというもの。30年前の雪訓を思い出しながら、楽しいひとときでした。

雪訓もどきで遊ぶ

 

越智直実(フォーラム理事・有限会社OCHI NAOMI OFFICE)