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2022-01-18

アボカドの芽が出た!  

昨年(2021年)7月、庭で水やりをしていたら、何かの発芽に気づきました。好きで紫陽花は積極的に挿して株を増やしてきましたが、それ以外は気まぐれな対応なので、いつの間にやら素性のわからない鉢が増えています。たまたま名札があり、アボカドとわかり驚きました。

そもそも私個人はアボカドの食感が好きではなくほとんど食べないのですが、家人が健康によいとどこかで聞いたらしく購入(2020年夏)。その後、台所に残された種がプリンと丸くあまりにつやつやと大きかったので、そのまま捨てる気にならず(何故か硬くて大きな種に惹かれます)、空いていた小さな植木鉢に埋め込んでみました。その後放念、そして越冬しての発芽でした。姿勢のよい立ち姿に、どのような葉になるのか興味がわきました。

1か月ほどたち、葉の数も増えたので、鉢を大きくしました。

2022年1月現在、厳しい日本の冬を堪え忍んでいます。順調に越冬できたら早い成長が見られるそうです。

アボカドを食べたい食物として興味を持ってこなかったのですが、先進諸国の人々がヘルシーな食品として多く食するようになり、日本でも8万トン輸入され(2020年)、その8割は世界最大の生産国メキシコからということです。アボカドは収益性が高く、他の南米・アフリカ諸国等の生産国も作付面積を急増させてきましたが、栽培には多量の水が必要です。土壌の養分を多く吸い上げるため、また多量の農薬使用などが重なり、一度アボカドを生産すると、他の果物などの栽培は困難になってしまうとの報道もあります。そのために現地の人々が自分たちの生活用水や食糧生産を犠牲にしてしまう現実や、サバンナでは野生生物が生活の場を失うことにもつながる現状があるとのことです。同じような事象は他の食物を巡っても起こっていますが、誰のための「健康」なのか? 改めて考えさせられます。

さて、種の生き残りをかけた生命力にも魅せられています。我が家の【紅白混じりの枝垂れ桃】は亡義父が植えた親木が枯れそうになり、子孫を残そうと何回挿し木をしてもつかず、いよいよか? というときに初めて50個ほどの実をつけたので、土中にそれらを埋めました。こだわっていたわりには雑な対応でした。そしてこれもすっかり忘れたその翌年に、雑草と思って抜こうとしたのが幼木でした。

この子たちは、抜いては植え替えられ、しばしば渇水状態に置かれたにもかかわらず、ほぼ全員が生き永らえました。土壌の力と植物(桃)の粘り強さ、適応力に畏敬の念を抱きます。成長すると狭い我が家に留め置くことは無理になり、あちこちの知人に無理やり引き取ってもらい、最後に40本ほどは幸運にも友人の小さな山の斜面に移植させてもらうことができました。皆元気でいるそうで、コロナ禍が明けたら会いに行きたいと思っています。うちに残した3本のうち1本だけは植え替えをしていないので、現在は物置の屋根を超すほどになりました。

発芽から約8年、毎年のゆっくりとした成長と変化を見て楽しめるようになった高齢期の今が好きです。働いていたときは早く、大きく、効率よく、という気持ちばかりが先走っていたのではないかと、ほろ苦く思うこともしばしばですが。

 

山本妙子(フォーラム理事)

 

 

 

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