子どもたちとの食事づくり―“誰ひとり取り残さない”支援とは
今日(12/27)、仙台は雪です。外気温0度で寒いです!
ただ、温暖化でサンマやサケの不漁が続いていることを思うと、この寒さがうれしくもあります。今年も新型コロナと並走する日々でしたが、新たに気づかされたこともたくさんありました。
ある町の児童館と連携して、月1回、小学生の食育を行っています。コロナ感染防止のために中止せざるを得ない時もありましたが、1~6年生までの12名(5グループ構成)と少数なので、なんとか実施しています。
各グループに子どもが2~3名と児童館職員や食育関係者(筆者など)1名で、今年からメンバーを変えないで、継続的に子どもと支援者および子ども同士の関係づくりをすすめています。その背景には、参加する子どもの多くが支援を必要としていることがあります。発達の障害ではないですが、学習に課題があったり、まわりの大人や子どもとのコミュニケーションがうまくできず、乱暴とされる言動がみられる子どもたちです。
一方、それらの子どもたちが児童館のイベントに参加した時には、普段とは違った、楽しく過ごしている姿が見られるとのこと。そこで、このような場をもっとつくれないかと、私たちとの連携がはじまりました。食事づくりは子どもにとって楽しい活動ですし、参加したいと集まった子どもたちなので、さほど心配もなく、従来通りのプログラムで始まりました。ただ、活動終了後、その日の子どもたちの様子を報告し合うとともに、家庭環境や普段の様子なども共有して、どのような支援をしたらよいのかを話し合いながらすすめています。
子どもたちとていねいに接していくと、いろいろなことに気づかされます。自分の気持ちを人に伝えるのが苦手な子どもが多いです。まして、私は月1回会うだけの“外部の人”なので、関係づくりの時間が必要でした。3回目くらいから、なんとなく仲間として受け止めてくれている関係ができたように思います。
子ども同士も同じで、Mくん(小学3年)とFちゃん(小学4年)は、最初は会話がなく、個々に作業をやっていたのが、3回目になると、お互いの分担を話し合うようになりました。Mくんが途中でフラッとどこかにいってしまう回数も減ってきました。自分が何をしたらよいかがわかってきたようです。自分の気持ちをあまり出さないFちゃんも、妹がいるので、Mくんの接し方が上手なことがわかりました。
また、「わかるように伝える」ことの重要さも改めて感じました。いたずらしたり、どこかに行ってしまうのは、やることがわからないからです。わかりやすく、ゆっくり、何回も説明すること。また、テーブルを拭いたり、ランチョンマットを並べたりなど、そのこと取って、何かひとつ得意なことができると、ぐっと自信のある表情を見せてくれます。
50年近く子どもたちと食事づくりをやってきて、たくさんの子どもたちに接してきましたが、まだまだ「子ども理解」が足りないことに気づかされた年でした。
平本福子(フォーラム理事・宮城学院女子大学)