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2023-11-19

落語で季節を楽しむ

子どもの頃、親によく寄席に連れて行ってもらいました。それ以来、演芸が好きになりました。漫才、紙切り、マジック、曲芸、落語……。どれも楽しく演芸場での時間はわくわくした思い出がたくさんあります。

特に落語が好きで、今では一人でも聞きに行きます。

「落語好き」というと、よく理由を聞かれます。

語りのリズム・テンポの心地よさ。

同じ話を聞いていても、聞き手によって思い浮かぶ情景が違う。同じ演目でも演者によっても話のリズムやオチがかわり、一つの演目で何通りも楽しい。というのが好きになった理由でしょうか。話の登場人物のやり取りから、人情の機微を知ることもありました。

「ひっつい」「さんだらぼっち」「藪入り」と今ではあまり聞かない単語も落語から学びました。

そして、落語には食べ物がたくさん出てきます。春は長屋の住人が、たくわんを卵焼き、大根の薄切りを蒲鉾、番茶を酒に見立てて花見をする「長屋の花見」。夏は青菜のお浸しが話に出てくる「青菜」。秋は、お殿様が秋刀魚を食べる「目黒の秋刀魚」冬の深夜に屋台のそばを食た勘定を巡るやりとりが面白い「時そば」……。まだまだ沢山。

食べることが大好きな私は、落語を聞くと、そのままその落語に出てきた食べ物がその日の食事になることがしばしば。それも落語好きになった大きな理由かもしれません。

今年の残すところ、1か月と少しとなりました。

年末は「芝浜」を聞きながらお酒を少し飲むのが恒例です。その日を目指して、師走を元気に過ごそうと思います。

 

小林雪子(フォーラム運営委員)