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2009-12-08

「どんとこい、貧困!」湯浅 誠/著

どんとこい、貧困!(理論社)
昨年暮れに、「年越し派遣村」を開設し、「村長」として運営した湯浅誠氏の著作。

その人が持っている条件を、著者は「溜め」と呼ぶ。
お金があるのは、金銭の「溜め」があること、
頼れる人がたくさんいるのは、人間関係の「溜め」があること、
がんばれると思えるのは、精神的な「溜め」があること、だと。

誰もが同じ「溜め」を持っているのではなく、「溜め」の大きさは人によって違う。

貧困とは、この「溜め」が全くないこと。
単にお金がないだけじゃなく、頼れる人間関係や、前向きな気持ちもないことを指す。

生きやすく、暮らしやすい社会をつくるためには、
無視するのではなく、目を向けること。
「関心は尊重につながる」と筆者は説く。

ちなみに、この本は、「よりみちパンセ」という、生きていくためのリアルなテーマを扱うヤングアダルト新書。
話題の書をたくさん出しており、大人も十分楽しめます。

越智 直実(理事)