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会員の活動報告:管理栄養士養成課程の学生による東日本大震災復興支援活動

会員の活動報告

管理栄養士養成課程の学生による東日本大震災復興支援活動

会員名:平本福子(フォーラム理事・宮城学院女子大学)

東日本大震災から3年半が過ぎようとしていますが、被災地はまだまだ復興の途にあります。本学の学生たちは、いろいろな震災復興の活動をしていますが、今日は南三陸町戸倉の「みやぎ銀鮭ガールズプロジェクト」を報告します。

宮城県の銀鮭養殖は国内の9割以上を占めていますが、東日本大震災で壊滅的な被害を受けました。その後、養殖場は復興したものの、取引販路の激減、福島原発事故による風評被害などにより、震災前には戻っていません。漁業の復興支援に関わる方から、「何か、大学生と一緒にできませんか」という声掛けがあり、始まったのがこのプロジェクトです。

 

■2014年3月1日(土)

学生23名が宮城県漁業協同組合志津川支所戸倉に行き、養殖場の見学をしました。漁船に初めて乗る学生も多く、エキサイティングな経験でした。見学後、漁業組合で銀鮭や牡蠣、帆立、ワカメなど、湾内で取れた食材を使った料理をいただきました。また、震災のことや風評被害の話を伺い、漁場の方たちが復興に向けて頑張っていらっしゃることがわかり、「何か、自分たちにできることをやろう!」と「みやぎ銀鮭ガールズプロジェクト」を立ち上げました。

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■5月3日(土)

連休には仙台市内で「みやぎ銀鮭まつり」がありました。学生たちは銀鮭料理を作って、来場者に振る舞う手伝いをしました。また、水産庁のウエカツさんに、銀鮭の本当のおいしさとはなにか…といろいろ教えていただきました。

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■5月17日(土)

大学の近くにある桜ヶ丘地域の小・中学生20名と、銀鮭を用いた「さかな丸ごと探検隊」を実施しました。子どもたちが生産者の方々と直接関わることで、「魚の生産から食卓にのぼるまでの流れ」を学ぶことができればと実施しました。

当日は、戸倉の漁業協同組合の方々にお越しいただき、「銀鮭の養殖について」と「出荷してからスーパーマーケットに届くまで」のお話を伺いました。その後、志津川からわざわざ持ってきていただいた銀鮭を丸々1本卸すところを見せていただき、これには子どもたちも興味津々の様子で、歓声をあげて食い入るように見ていました。いくつかのグループに分かれて、さばいた鮭の切り身を使って「から揚げ」「鮭そぼろちらしずし」「鮭のジャガバタ焼き」「焼鮭だし茶づけ」「蒸し鮭野菜」「あら汁」を作り、ビュッフェ形式でみんなで食べました。自分たちで作ったからでしょうか、子どもたちからは「おいしい!」という声があちらこちらで飛び交い、料理はあっという間になくなってしまいました。

今回の活動を通して、子どもたちからは、「鮭を丸ごと1匹使って、こんなにたくさんのおいしい料理が作れるなんてすごいと思った」「初めて頭を食べたけど、意外においしかった」などの声があがり、子どもたちにとって多くの発見があったようです。

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■6月中旬

銀鮭料理のレシピ検討を行い、学内カフェで「銀鮭ランチ」を出しました。また、ランチには宮城の銀鮭養殖の様子を書いたリーフレットを添えて、被災地の復興を伝えました。

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■7月25日(金)

南三陸町戸倉にて県漁協志津川支所と連携し、銀鮭をテーマとした食育イベントを行いました。
当日は、仙台市立桜ヶ丘小・中の児童生徒18名(5月に県漁協志津川支所の方々と一緒に銀鮭料理づくりを体験しました)と地元の戸倉小の児童15名が参加しました。

今回のプログラムは大きく分けて2つ。銀鮭の養殖生簀の見学と銀鮭料理づくりです。
生簀(いけす)見学では漁船に乗せていただき、どのようなところで銀鮭が養殖されているのか見学させていただきました。えさのやり方や水揚げの仕方、絞め方など、仙台の子どもだけでなく地元の子どもたちも初めて目にすることもあり、とても貴重な体験になったようです。

船を降りてからは場所を移動し銀鮭料理づくりに挑戦しました。5つのグループに分かれて、「から揚げ」「銀鮭そぼろちらしずし」「銀鮭のジャガバタ焼き」「蒸し鮭野菜」「銀鮭のつみれ汁」を作りました。仙台の子どもたちは2回目ということもあり慣れた手つきで、戸倉の子どもたちは仙台の子に教わりながら、一緒に楽しそうに調理していました。出来た料理は大きなお皿に盛り付け、県漁協組合の方も一緒にみんなでおいしくいただきました。

今回のプログラムを通して、子どもたちからは「これからもっと鮭を食べようと思った」「僕だけじゃなくて家の人にも食べてもらいたい」などという感想があり、銀鮭のおいしさを再発見したようです。水揚げは間もなく終わりですが、今後はレシピ開発やイベント等に参加し、一人でも多くの方においしさ、魅力を伝えていきたいと思います。

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私たち宮城の教員や学生は、銀鮭の販路を開拓することはできませんが、漁師のみなさんや子どもたちを応援している者がいることを少しでも伝えたいと活動しています。現在は銀鮭をテーマにした教材作りに取り組んでいます。

大学HPで「みやぎ銀鮭ガールズプロジェクト」の活動状況を掲載していますのでご覧ください。