第20回食育セミナー
研修会・セミナーの報告
第20回食育セミナー
「『ぴったり弁当』わくわく食探検隊!」
今年の食育セミナーのねらいは、食べる人の体や心にちょうどよい「ぴったり弁当」を、子どもたちひとりひとりが自分で発見し、それを実際に食事として表現して家族や仲間に伝えていけるような食育リーダーになること。さらに、こうした食への主体的な取り組みが”楽しい!””わくわくする”と感じることでした。
そこで、プログラムとしての大きな目玉は、全員同じプログラムに参加するのではなく、”3つの食探検コースの中から自分が参加したいコースをセミナー初日に自己決定する”ということ。食育セミナー初の試みでした。そして探検コースで発見するであろう沢山の「ぴったり」になるアイディアを、最終日に食事として表現して皆に報告するのです。
この3つの食探検コースは、A「体や心と食べ物のつながり探検コース」、B「地域の人々の暮らしと食のつながり探検コース」、C「地域の農作物と暮らしのつながり探検コース」でした。初日夜に行われた探検会議で自分のコースを悩んだ末に決定すると探検隊の結成。隊長、副隊長を決めて2日目に目を輝かせて探検にいざ出発です。
Aコースでは、昼食を食べた牧場からセミナーハウスまで歩くために消費した体のエネルギーを食事の量との関係で確認し、体と食事のつながり方に沢山の「ぴったり」をつくれることを発見。Bコースでは、地域の産物をよりおいしく、むだなく活用しながら大切に食べる、その知恵を実際の料理として見、味合う中で、毎日の暮らしの中でできる沢山の「ぴったり」を発見。Cコースでは、蔵王で収穫された作物の集積場で、これから市場にでるきゅうりのトラックの集荷作業を見学し、収穫された野菜がどのようなにして自分の食卓に届くか、同じ野菜でも規格によって分けられ価格も異なるなどの流通のしくみから、毎日の食事づくりの中でできそうな多くの「ぴったり」を発見しました。
食探検報告会では、全部で100以上も発見した沢山の「ぴったり」を探検地図にあふれるほど書き込み、それらを表現した食卓(主食・主菜・副菜)を構想し、作り、仲間に報告しました。Aコースのテーマは「じゃがいも1個のエネルギーと30分歩くのに使ったエネルギーがぴったり!」、Bは「うさみさんの畑にぴったり」、Cは「新鮮野菜で心も体もぴったり食事」。報告する子どもたちの表情は、内面からの楽しさとわくわく感に満ち、「食育リーダー」としての姿でした。
文責:吉岡有紀子(理事)