2010-03-31
季節と食事
北海道では広大な自然と農業の風景が目の前に広がっているので、季節の移り変わりを強く感じます。
そこで、「季節によって人の食事はかわるのか、食事の季節変動は健康と関係するのか」をテーマに研究しています。
地域の方々に四季節の食事の記録をしていただいています。
農家の方も農繁期には日が昇ってから沈むまで働きつづける中で、食事を計量してくださっています。
この調査を始めてから3年、ずっと山あり谷ありです。
1年の間には、天候不良による作物凍結被害が起きたり、牛が病気を患ったり、ご自身が病気になったり、家族の看病や介護をしなければならなくなったり、いろいろなことが起こります。
四季節の食事を記録できる状況にいられることが、予想以上に難しいのです。
日本の食料自給率を支える北海道の農業問題や僻地医療問題を目の当たりにし、気持ちが苦しくなることもあります。
そんなとき、この研究の意義を認めていただく出来事が何度かあり続けられています。
ヒトの身体の構造や代謝機能や行動は、自然環境に適応できるように変化し確立してきたことを確認することの意義です。
季節によって人の食事はかわるのか。
四季の地元の旬の食材を食べることで、栄養バランスはよくなるのか。
野菜の生産が少ない冬にも、野菜を食べないといけないのか。
どの季節のどんな食事が、肥満をうながすのか。
最近、疑問の答えが垣間みえそうになる瞬間があり、ドキドキすることがあります。
「1年間を通して健康に過ごすための食事の法則」を見出すことが大きな目標です。
石川 みどり(フォーラム運営委員)