「食のほっとタイム」荒浜小学校のお弁当③
7月29日(金)
小学校は夏休みに入りましたが、震災で一学期が短かったので
しっかり時間をとって勉強ができるようにと
お昼のお弁当を学校に届けることになりました。
荒浜小学校全校生徒59名と先生方と学生ボランティア分を加え
合計87人分の弁当作りとなりました。
こんな大勢の弁当を作るのは初めてでしたが、
前日準備と早朝からの調理とで頑張りました。
ボランティアは食品栄養学科4年高野有菜、白田美里、藤本祐貴、八谷成香、
健康栄養学研究科2年栗原綾子と平本です。
料理を作り、弁当箱に詰め、布で包み、保冷箱に入れる・・
さながら弁当工場のようでした。
出来上がった弁当はLAC(宮城学院リエゾン・アクション・センター)地域連携コーディネーターの
伊勢さんとともに運びました。
弁当箱はいつものNPO法人食生態学実践フォーラム考案の弁当箱ですが、
1~3年生は500ml、4~6年生と先生方は600ml、700mlとしました。
メニューはリクエストのあった炊き込みごはん(前日大量のごぼうと人参のささがきをしました)、
仙台ささかまぼこのチーズ焼き、卵焼き(毎回入れてほしいとリクエストあり)、
いんげんのごまあえ、ナスのトマト煮、かぼちゃの煮物、ゆでブロッコリーです。
上の写真は1~3年生用のもの。
ごはんは少なめに詰めてお替わりできるようにしました。
私たちはNPO法人食生態学実践フォーラムの支援を受けて、
栄養バランスのよい「3・1・2弁当箱法」を用いてお弁当を詰めています。
これは全体の半分(3/6)がごはん、肉やさかなのおかず(主菜:1/6)は
野菜のおかず(副菜:2/6)の半分というものです。
小学校に着くと校長先生が迎えてくださいました。
この弁当支援プロジェクトは、校長先生の「食事は文化だから、
こんな厳しい状況の中だけどなんとか手作りの弁当を子どもたちに食べさせてあげられないだろうか」
という声で始まったものです。
今までは校外活動先にお弁当を届けていたので、校長先生にお会いするのは初めてでした。
とても喜んでくださいました。
視聴覚室に生徒のみなさんが集まって一緒に食事をすることになりました。
ひとりづつ弁当を手渡しすると、子どもたちはちょっと恥ずかしそうに、
でもしっかりこちらを向いて感謝の気持ちを伝えてくれました。
食べ終わったお弁当はひとり一人が丁寧に包んでくれました。
子どもたちの大好きな炊き込みごはんは、お替わりできるように別途持参しました。
子どもによって食べる量が違うので食欲の調整役はいつも「ごはん」です。
2年生が何回もお替りしていて、食べ過ぎないかと心配するくらいでした。
一方、私たちのお弁当は野菜たっぷりなので、
野菜が苦手な低学年の子どもにはやや大変だったようです。
子どもが好きな野菜料理をと工夫しているのですが、
私たちには「おいしいです」と言ってくれるのですが、箸が進まない子どもも見られました。
また、先生方が子どもが食べられない料理を食べてくださっている姿もみられました。
おもいがけず、1年生の方から「メッセージカード」(写真)をいただきましたが、
それには
「とりごぼうごはんがおいしかったです。
わたしはナスのトマトにがにがてだったけどがんばってたべました。
全ぶおいしかったです」
「今日はおべんとうをつくってくれてありがとうございます。
たまごやきがうまかったです。ブロッコリーがきらいだけどたべられました」
とありました。
私たちの思い(野菜をたっぷり食べてね!)にがんばって応えようとしてくれている子どもたちの姿に
ちょっと感激です。
低学年の子どもたちには秋の遠足のお弁当も予定しているので、
みんなが喜んでくれるようなお弁当を作りたいと思いました。
平本福子(フォーラム理事、宮城学院女子大学)