幸せの国、ブータン?
9月末に、ブータンに行ってきました。日本から乗り換えの時間を含めると、約20時間かかります。ブータンが幸せの国と言われて10年以上たちますが、実情はそうでもなく、離婚率は高く、DVや育児放棄というような話も聞かれますし、コロナ禍で貧富の差がだんだん広がってきているのも事実です。
そのような中で、小学校を3校訪問させていただきました。どの学校の子どもたちも、とても明るくお行儀がよく、笑顔で出迎えてくれました。授業は、国語以外の科目は英語で行われています。教科書は、学校からの貸し出しで、1年終わると返すことになっています。
お昼休み、子どもたちは、急いで教室から出て外でお弁当を食べます。なぜかしら、お弁当は、みんな象印の保温ランチボックスで持ってきています。小学校4年生でも、ごはんは、しっかりお茶碗1.5杯分以上、おかずは野菜のチーズ煮込みやジャガイモの炒め物が多く、どのおかずにも必ず唐辛子が入っています。唐辛子もブータンでは野菜として重要な位置を占めています。市場ではたくさんの種類の野菜が売られてはいるものの、大人も野菜をあまり食べないのが問題になっています。小学校では、月曜日がグリーンデーになっており、野菜をおかずにしたお弁当を持ってくる約束になっています。
学校にお弁当を持ってこられない子どもも、約1割近くいます。お昼休み、家に帰る子どももいますが、カラのお弁当箱を調理室前の棚においておくと、ボランティアの方たちが調理室でごはんとおかずを作り、弁当箱に詰めてそっと棚に置いてくれます。日本は、みんな同じ給食をたべているので、あまり目立たないのかもしれません。ブータンでは、子どもは、大切な国の宝と考え、みんなで育てていこうとする姿をみると、やはり幸せの国なのかもしれません。
6年生が、歓迎の寸劇「森のくまさん」を見せてくれました。
男の子は男の子同士、女の子は女の子同士でお弁当を食べます(4年生のクラス)。
高増雅子(フォーラム理事)