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2010-03-08

外国産食材料―理想と現実

2月にオープンした老人保健施設の管理栄養士さんから、給食運営・栄養管理についての相談依頼があり施設に伺った。
開所祝いのお花があちこちに置かれ、お雛様が飾ってあり、新しい施設の匂いがプンプンしている。
給食業務は委託で、ユニット形式。
その日も、管理栄養士さんは2人の方と入所時の面接をしていた。

たまたま、納品書が机の上におかれており、覗いてみて目に飛び込んできたのが、生産地。
豚肩ロース/デンマーク、鶏もも肉/ブラジル、赤魚骨なし/アラスカ、人参/中国、かぼちゃ/ニュージーランド、笹がきごぼう冷凍/中国、冷凍小松菜/中国、冷凍菜の花/中国、冷凍チンゲン菜/中国、椎茸スライス冷凍/中国、パイン缶/タイ、桜桃缶/南アフリカ、カリフラワーも、ブロッコリーも、絹さやも冷凍で中国産だった。

この1ヶ月間における外国産食材料の使用状況は、多いときで15品目中9品目、少ないときで21品目中の5品目。
食料自給率がカロリーベースで41%のわが国なので、これが現実なのもよくわかるが、
「食べる楽しみを重視し、食べることから生活機能を維持・向上させ、一人ひとりの自己実現に寄与する」
を栄養課の理念に掲げているのに……。

この理念の下、管理栄養士ができることは何だろう。
入居している高齢者が笑顔で「おいしかった」と満足する献立内容か、そしてその献立が、契約どおりの食材料費を有効に使っているかをチェックすることか……。

4月から新卒の栄養士さんが着任の予定。できるか心配、でも頑張って!!

薄金 孝子(フォーラム理事)