「豊海おさかなミュージアム食育リーダー」さんたち
豊海おさかなミュージアムでは昨年の3月から「さかな丸ごと食育」のサポーター学習会を、食育セミナーと称して実施しています。
月1回の実施(今年度は同じ内容を月2回で実施)ですが、他のサポーター学習会と比べ継続した学習ができるため、一定の内容を学んだサポーターは「豊海おさかなミュージアム食育リーダー」に認定しています(現在、11名)。
その食育リーダーさんを通して、八丈島セミナーの参加者が集まったり、地域のボランティアグループや、地元自治会とのつながりができつつあるなど、ミュージアムにとって大事な人材となっています。
そのリーダーさんに、教えられることがたくさんあります。
この9月に認定証を受け取ったTさんは、「今まで嘘をついていました」と、スタッフに言いに来られました。
何?と思っていると、「実は、仕事が忙しくて食事が作れないと言っていたのは嘘。
5年前に大病を同時にいくつも患い、手術や、また母も亡くすなど辛い1年を過ごした。
それ以来、食事を作ることができなくなってしまった」とのこと。
「ミュージアムで実習していても包丁を持つ手が震えていたんです。
でもこの学習会に参加して、あらためて食事の大切さ、命の源は食事なんだって、本当にあらためて気づかされました。
おかげで今やっと台所に立つことができるようになった。
参加して本当に良かった」と言って下さいました。Tさんは非常に聡明な方で、グループ学習の時には上手に皆の意見をまとめたり、わかりやすい発表をしてくださった方です。
いつもはつらつとされていたので、そんな大病をされた方とはまったく気づきませんでした。
Tさんの勇気あるカミングアウトのおかげで、私たちスタッフはうれしくて、やる気が急上昇です。
また、夏休みに実施した子供セミナーを手伝って下さったFさんは、先日ミュージアムで実施した食育をテーマにした『「食」と「漁」を考える地域シンポ』に参加くださいました。
種々の食育活動の報告を聞いた漁協関係者が、「今や食べ方を教えないと魚は食べてもらえないのか」の発言に対し、挙手して「私はさかなは臭くて大嫌いでした。
でも、旅先でおいしい魚を食べたのをきっかけに食べられるようになったのです。東京にいても産地と同様においしい魚が食べられるようにしてほしい。
おいしい魚を食べれば、魚嫌いはなくなると思う」と発言されました。
さかな丸ごと食育サポーターの役割は「学習成果を自身の生活や社会活動に活かし、かつ家族・友達・水産・食育関係者や仲間などに発信できる」としています。
わがミュージアムの食育リーダーさんは、しっかりその役割を担っています。
リーダーさんをはじめ、そんな仲間が生まれつつあるミュージアムの食育セミナーは、毎月第2火・金曜日に豊海おさかなミュージアムで実施しています。
どなたでも参加可能です。
是非一緒に、さかなの大切さを見つけあいましょう。
お問い合わせ先:kimura-tkyfish@blue.ocn.ne.jp
高橋千恵子(フォーラム理事)