「チリモン(チリメンモンスター)」って聞いたことありますか?
「豊海おさかなミュージアム」7月の展示パネル(テーマはいわし)に、「しらす干し(ちりめんじゃこ)」に混ざった種々の魚を紹介した写真がありました。
「へえー、おもしろいね。食育セミナー(ミュージアムで毎月実施している「さかな丸ごと食育」サポーター研修会)で、子ども達と探検してみたいね」とスタッフ間で相談し、さっそく9月のセミナーで挑戦することとなりました。
でも、せっかく見つけた超レアな生き物の名前がわかるかしら?どうしたものかと思案していたところ、当日、東京水産振興会の栗原次長が助けにかけつけてくれることになりました。
■小学生23名で20分間奮闘し、20種の魚を発見!
「見てみて! こんなの見つけた。 これは何?」と、不思議な魚を見つけるごとに栗原次長(「歩く図鑑先生」と命名され大人気!)に名前を確認しながらちりめんじゃこを分類していきました。
私のような年配者は、老眼鏡に虫眼鏡で必死な形相で大格闘ですが、子どもたちは裸眼ですいすい分類していきます。せっかく分類しても、鼻息でとんでいってしまうなど大騒ぎでしたが、ワークシートにボンドで1尾づつ貼りつけました。
この日の学習者は2・3年生を中心とした23名。
約20分、皆で分類しまくり、アジ、アイゴ、エソ、オキアミ、タチウオなど20種類の魚を見つけることができました。
探検ノートの6~7ページで、海の生物の多様性を確認し、楽しい学習会となりました。
■子どもたちの感想から
「チリメンジャコにはたくさん知らない生き物が入っていておもしろかった(6年女)」
「海には小さな魚だけでもたくさんの種類があることがわかった(3年女)」の他、
「シラスがイワシということをはじめて知った(4年女)」や、
「エビの赤ちゃんは最初は白いとわかった(2年男)」
などの発見もできました。
今回は近畿の海から獲れたチリメンジャコでしたが、次回はぜひ東京湾のチリメンジャコを探検したいと思います。
参考資料:
1)日下部敬介(監修)、きしわだ自然資料館きしわだ自然友の会:チリメンモンスターをさがせ、偕成社、2009年
2) きしわだ自然友の会編:チリモン博物誌、幻戯書房、2009年
3) おさかなミュージアム:世界はイワシでできている、東京水産振興会、2014年、P20
高橋千恵子(フォーラム理事)