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2016-07-13

船内急速冷凍するめいか

7月の豊海おさかなミュージアム「さかな丸ごと食育」サポーター学習会は、イカを活用しての実施でした。
使ったイカは、東京水産振興会を通じて、一般社団法人全国いか釣り漁業協会から提供してもらった、石川県能登町の小木漁港に水揚げされた「船内急速冷凍するめいか」です。

釣ったイカは、船内で1杯づつ(普通はブロックで冷凍)、マイナス30~40度で一気に冷凍するそうです。
急速冷凍することで凍結時の細胞の破壊を最低限にすることができ、解凍時に旨味成分が外に流れ出ることも抑えられます。
このため、冷凍しても風味への影響がほとんど生じず、釣った時の鮮度がそのまま保たれることから美味しいのです。
しかも寄生虫のアニサキス(マイナス20度で24時間以上冷凍すると死滅する)の心配もなく、刺身も塩辛も、生のままより安心して食べることができるそうです。
とてもおいしかったこともあり、「冷凍」のイメージが変わりました。

昨年の冬にブリを扱った時は、養殖のブリ(ハマチ)でした。近年の養殖技術の格段の進歩により(例えばエサも、ドライペレットという海水を汚さないものが開発され使われているそうです)、天然ものよりおいしいハマチが出荷できるようになったとか。養殖ものは「臭みがあるし薬漬けでよくない」といったイメージが覆されました。

このように、「さかな丸ごと探検ノート」の15ページ、「安全で安心なおいしいさかなをとどけるためのいろいろなくふう」についての生産者のたゆまぬ頑張りを知ることができるのも、「さかな丸ごと食育」の魅力だと感じています。

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高橋千恵子(フォーラム理事)