第31回食育セミナー ハート♡を食事でプレゼントPart8
会員名:田村みどり、中川尚子、佐藤亜希子、針谷順子(社会福祉法人健友会)
第31回子ども自身がリーダーになる食育セミナーは、蔵王から川越に場を移して10年を迎え、やっと地域に根付いてきた感じがしてきましたが、昨年までの参加児童が中学生になって参加できなくなり、ほぼ全員がはじめての参加で、しかも低学年でした。
参加要件は原則、小学校3年生以上。しかし、子どもの14名中10名が小学校1~3年生の低学年でした。
また、スタッフ側は、協働してきた女子栄養大学の田中久子教授のゼミ生の参加が、授業等の都合から昨年の半数の4名となり、事前学習の機会も取れませんでした。
更に、みなみかぜのスタッフは、職務上から例年の半数の4名になる等、いろいろな面から実施上の困難さが予想されました。
このような実施体制の見通しが立つのは1週間前、プログラムの大枠は例年通りとはいえ、具体的にどうするかはそこから検討です。
メジャコンの歌を活用することを基本に据え、人数の多い小学校2年生(7名)は国語、算数等で何を学んできているのかなど、学習者のレディネスを確認しつつ、学習プログラム、食事・料理の教材を含めた教材づくり等を検討・準備し、当日を迎えました。
具体策としては、
◎学習の基本としてのメジャコンの歌は、DVDを用い、みんなで歌って覚えました。
◎主食・主菜・副菜の学習には、バイキング料理をカード化して用い、食べた料理・食事で具体的に学習や振り返りができるようにしました。
◎「3・1・2弁当箱法」の学習では、歌詞を大画面に印刷し、歌にルールをしっかり位置付けて確認をしたことで、ルールは簡単かつ確実に覚えらたようです。
更に、メジャコンの歌はCDで演習や休み時間に、バックミュージックに使いましたので、子どもたちは、鼻歌交じりでスケッチをしたり、弁当詰めをしたりと繰り返し歌っていました。その姿はとても楽しそうでした。
食事づくりでのイワシの手開きでは、子どもたちは目を皿のようにしてデモを見て、全員が挑戦し、上手に開いて美味しいかば焼きを作りました。
また、地域のお年寄りとの弁当パーティに向けては、子どもたちが熱心にインタビューをし、「野菜づくりが生きがい」という、枝豆やトウモロコシをプレゼントしてくださったお年寄りの方には、枝豆とトウモロコシご飯を市松にして、思いをしっかり詰めた素敵な弁当をつくってプレゼントしました。
どこの班でも、しっかりハートが詰められた弁当になり、お年寄りの方々は涙を流して喜んでおられました。
お別れでは、どこの班もなごり惜しく、全員が手をつないで玄関まで見送りました。
今回のセミナーは、低学年ならではの率直な感情表現が随所にみられ、地域のお年寄りの方もスタッフも、子どもたちの感性に熱くなる思いをしました。
実施上の新たな課題もたくさん見つかりましたが、私たちスタッフには、「ハートを食事でプレゼント」のプログラムが、低学年にも活用できるという新たな発見をプレゼントしてくれました。