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2022-08-22

ジャガイモの実

例年、言い訳程度に植えていたナス、ミニトマト、ピーマンなどに替えて、唐突に「ジャガイモを植えてみよう!」と思い立ち、少しですが種芋を植えつけました。発芽のタイミングが株によって多少異なったもののやがて花が咲き「よしよし」と思っていましたが、地上部分が枯れはじめた頃に掘ればよいのだと思うだけで、毎日気にかけることもなく過ごしていました。

7月初めにそろそろ掘り上げ頃かと覗きに行くと、「ミニトマト?」と思わずにいられない実がついています。正直驚きました。初めて見るジャガイモの姿でした。よく考えれば、トマトもジャガイモもナス科なので似ているところはあって当たり前。一般論としては、植物ですから種ができるのも当たり前。

ジャガイモ畑に行ったこともありますし、食育教材として扱う野菜の花の区別もできるつもりでしたが……知ったかぶり、大変失礼しました(ジャガイモにお詫び)。

驚いたついでにネットで調べてみると、雄しべに受精能力のない種類は結実しないとか。必ずしも実がなるわけでもないようです。農産物が人間の都合で改良(植物にとってはよいこととは限りませんが)されてきた経緯があります。知る人からは「何でこんなこと知らないの?」と思われるようなことなのでしょうが、70年近くもジャガイモの実を見ることなくここまできたのは、今さらですが、私自身が知ろうとしなかったからなのですね。見ようと思ったら見える場所があったはずです。

植物性の食品を「食べられる部分」で葉菜、花菜、根菜、果菜などと区別したり、多く含まれる栄養素で分類したりと、栄養士としての慣習に染まってきましたが、それ以上に興味を深めてこなかったと恥じ入るばかりです。ジャガイモに限らず、今後私に付き合ってくれる野菜や庭の草木にはしっかり目を向けて、想定外の学びや驚き、喜びを得たいと思います。

山本妙子(フォーラム理事)