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2024-01-15

キッズ・イン・ザ・キッチン

子どもたちへの食育の一つ「キッズ・イン・ザ・キッチン」がアメリカで始まったのは、40年以上前のことでした。当時の「キッズ・イン・ザ・キッチン」のキャッチフレーズは、「愛するわが子を病院に入れたくなかったら、元気と幸せの土台を作る台所に入れて、一緒に調理をし、家族とのコミュニケーションを楽しみましょう」「台所は、クリニックでの医療費負担を削減できる」などと言われていました。

子どもが調理に興味をもち始める年齢は、5歳がピークという報告がありました。アメリカのキッズ・イン・ザ・キッチンの本では、年齢別に子どものできる台所仕事を提案していました。3歳児では材料をまぜ、4歳児ではまるいものを型づくり、5歳児では材料の分量が量れるという具合です。子どもが楽しく参加するためには、「幼児には何か一つ作業を楽しませるようにし、その作業のエキスパートになってもらう」「小さな料理本から、何が作りたいのか選ばせる」などと、提案していました。

現在では、キッズ・イン・ザ・キッチンは当たり前のように幼児期の食育の一環として行われるようになってきました。孫が通っている保育園でも、2歳児クラスは、マイエプロンをしてキャップをかぶり、手洗いをしっかりしてから、ゼリーの材料を混ぜたり、クッキーの粉を混ぜたり、フルーツポンチを作ったりと、楽しく作業を行い、そのあと自分たちの作ったものが、おやつの時間に提供されています。また、園内で栽培されているプチトマトやキュウリ、サラダ菜を収穫して、洗って、給食のおかずとして食べるところまで行っていたり、お芋やオクラでスタンプ遊びをしたりしてました。毎月、保育園の栄養士さんが中心となって、各年齢別担当の保育士さんとで、いろいろと計画をたて行ってくれています。

我が家では、娘はまだ心と時間の余裕がないため、3歳になったばかりの孫のキッズ・イン・ザ・キッチンは、バアバの役割となっています。イベントの多かったこの12月は、クリスマス用にスポンジケーキを焼いて、孫と一緒に生クリームを泡立て、イチゴを飾って、ショートケーキを作りました。クッキーの型抜きやツリー用の穴あけ、飾りつけと、あー、3歳でもここまでできるのだと、改めて感心しました。しかし、調理にかかる時間が長くなると飽きてしまい、お片付けもまだまだむずかしく、まあ、一つできればよしかなです。

お節では、蒸かしたさつま芋をつぶしてきんとんを作ったり、すり身を使ってかまぼこづくりをしました。いつもの粘度遊びの延長ではありましたが、出来上がったものをお重にいれると、とてもうれしそうに、「これ、作ったんだよ」とパパやジイジにいっていました。

今までも、保育園や幼稚園で「キッズ・イン・ザ・キッチン」についてお話をする機会はありましたが、改めて、「キッズ・イン・ザ・キッチン」は、あくまでも子どもが主体であり、お膳立てをする大人は、冷静な目をもち、安全に、忍耐強く、気長く子どもに付き合っていくことが大切だと、身をもって感じた年末年始でした。

 

高増雅子(フォーラム理事)

 

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