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2012-02-12

韓国の旅

11月5~6日、韓国研修に参加させていただきました。期間中はソウル大学名誉教授の牟寿美先生をはじめとするソウルで活躍されている地域栄養学関係者の方々のご案内で、個人では見学ができないようなところを、たくさん訪れることができました。

中でも、特に印象に残っているのは、コットンネ総合福祉施設です。新生児から高齢者まで、それぞれの世代の障がいを持っている方や虐待を受けた方などが生活をしている施設です。障がい児の施設では、入所されている方々が音楽を楽しんでいるところを見学させていただきました。一人ひとりの目が輝き、楽しそうに歌っている姿に心惹かれました。

私は現在、高齢者施設で栄養士として勤務しています。今、職場で生活している高齢者は、毎日の生活を楽しんでいるだろうか? コットンネで出会った入所者のように、キラキラと輝いた瞳で生活してもらえるために、自分はこれからどのように仕事をしたらよいのだろう? と改めて考える時間となりました。

帰国後、まずは「お年寄りの生き甲斐探し」と、入所者との会話の時間を増やし、コットンネの院長がされていたように相手の目を見ながらゆっくり話を聞くように心がけています。少しでもあの瞳の輝きが増えるように、施設職員として頑張っていきたいと思います。

今回、このような貴重な経験をさせていただきましたことに感謝いたします。

小林雪子(フォーラム賛助会員)

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ソウルへの旅は3回目になりました。今回も、寿美先生のご案内で朝早く、南天門の市場で朝ごはんをいただきました。当日は、寒くどしゃ降りの雨でしたが、熱々の小豆粥を美味しくいただきました。食事は、日本に留学されていた4人の先生方と私たちの総勢13名での共食です。いろいろ味わいたいので多品種少量での注文をし、美味しくいただきましたが、おなかいっぱいで食べたられなかった、kimbap (韓国ののり巻)は買って帰国しました。

kimpapは、のりにごま油をぬり、その上にふり塩をして味つけをします。ごはんに直接味つけ(すし酢)はしません。ですから、いわゆる日本でいうすしではありません。20年も前になりますが、kimpapを食べた時に、さわやかな酸味があり、さっぱりした味で大好きになりました。もちろん、独特の韓国のりとごま油の風味も好きになった要因です。不思議に思ったのは、すし飯ではないのに酸味があることでした。それは、きゅうりや大根の水キムチのすこし醗酵した酸味で、程よいものでした。砂糖を使用していませんから、さわやかな酸味が引き立つと共に、酢がないのでごはんは老化せず、ごはんの美味しさも保たれます。日本と同じような形態ですが、すしではないのり巻きです。“似て非なり”、料理の奥深さや文化の違いを感じました。

今後ますます異文化の融合が進み、料理も多様な展開がされ作り方も変化していくでしょう。でも、それぞれの国で育った知恵あり、技ありの料理は、それぞれに健在であってほしいと思いました。

針谷順子(フォーラム副理事長)