新年のサプライズ
サプライズは1月のはじめ、“食生態学ネットワーク”新春ゼミで起きました。
新春ゼミは私が女子栄養大学に在職していたころから、新年に食生態学研究室の卒業生も在学生も一緒になってひとり1料理の持ち寄りパーテイをしていました。
卒業生の喜び・悩み・怒りなどを在学時代と同じように思いっきり吐き出すのを、仲間が同感し、いたわりあい、知恵を出し合う・・・・それを在学生が聞いている・・・・という妙な新年会です。
私が退職し、武見ゆかり教授にバトンタッチした時に、“食生態学ネットワーク”という呼び名にしたのです。
多くのメンバーが重なっているNPO法人食生態学実践フォーラムは、“食を育てる専門家を育てる”ねらいを共有してで、多様な分野の人々がそれぞれの専門性を活かしつつ社会的な実践活動をすすめるのに対し、前者のネットワークは昔の呼び名では子世代や孫世代も一緒になった同門会といった感じです。
毎年1月の日曜日に、大学のキャンパス内で、その時の在校生が準備をしてくれて成り立っています。
初めに、私が今年一番大事に思うことをメッセージとして話し、次いで採り立て(?)の博士論文研究の報告や、今年は新潟新聞文化賞を受賞した村山伸子教授が受賞対象になった「バングラデッシュの学校給食プログラム構築のプロセスや課題について報告しました。
そのあと学食堂に会場を移して(こちらが本番かな)の懇親会になりました。
その時です。
驚いたことに抱えきれないほど大きな花束と、ネットワークのメンバーがそれぞれに寄せてくれたメッセージ満載の2冊のファイルと、“○○おめでとうございます”と拍手をいただきました。
私は、還暦、喜寿、米寿・・といった呼び名に疎く、関心もなく、そのために長老の方に失礼をしてしまったこともあるぐらいですから、○○の意味が分からなかったのです。
説明を受けて、少し早目の77歳のお祝いとのこと。
皆様の温かい心配りに感謝申し上げた次第です。
“でも、2011年3月11日の東日本大震災で私は頭も体も真っ白になってしまい、生まれ変わりました。
だから、今2歳です”と。
いただいた生花を、ちょうど自宅に人間国宝井上萬二先生のロクロ技術を継承する第一人者と評されている陶芸作家庄村健氏の白磁の花器(口径44センチ)を預かっていましたので,それに生けました。
サプライズが今日も、部屋中に漂っています。
感謝しつつ。
足立己幸(フォーラム理事長)