“たこ焼き”万歳!
先日、数か月ぶりに、丸一日特にどこかに出かけたりする予定もなく家族3人がそろう日がありました。せっかくだから、と、休みの日でもいつもは何だかんだとどうしても時間がずれ込み遅くなりがちな夕食を、みんなが食べたい物で早い時間から始めてゆっくりのんびり食べよう!ということになりました(といっても私の希望が強い感じでしたが)。もちろん掃除や洗濯、片づけなどやることは山積みなのですが、早めのゆっくりのんびり夕食の実現に向かって片づけもみんなでいつもより素早くできました。
いろいろな案が出た中で、前々からやりたい~と子どもからリクエストが出ていた“たこ焼き”を作りながら食べよう!ということになりました。
我が家には数年前に購入したたこ焼き器があるのですが、なかなか出番は回ってきていません。最近はかれこれ1年以上も前に登場したきりで、冷蔵庫の上に箱ごとおかれたままです。いつも横目でみながらも、たこ焼きは焼くのにも時間がかかりしかし食べるのはあっという間。成長期の食欲モリモリの我が子の食べるペースと、成長期ではないのに食欲旺盛な親(旦那と私)の3人分を作るのは時間がかかるからなあ、と普段は躊躇していました。したがって、今日のコンセプトにはばっちりです。
たこ焼きの素というたこ焼き専用の粉は、なぜか購入済み。しかも1キロ袋。たこ焼きといっても結構奥が深く、分量の水と卵と粉を、だまにならないようによーく混ぜたら半日程度ねかせておく、とあります。たこ焼きにして100個以上分の生地を午前中のうちに準備し、冷蔵庫にねかせておきました。
いよいよ夕方。たこ焼きの具材のタコ、キャベツ、ネギを山のように刻みボールへ。その他揚げ玉、かつをぶし、ソース、マヨネーズを用意し、各自が飲みたい飲み物も用意して冷蔵庫で冷やし、そしてたこ焼き器を箱から出しました。
時は夕方。さあ、セッティングして焼きはじめよう!となりました。が!いつものダイニングテーブルにたこ焼き器をおいたらコンセントが届かない。バタバタと延長コードを探しましたがなぜか家中ない!仕方がないので、コンセントにつながるダイニングとキッチンの間の位置に小さい机を出し、その低く小さい低いテーブルの周りに各自ダイニングチェアも持って集まりいよいよ焼き始めました。一回につき18個焼けるたこ焼き器です。思いの外焼くのにも時間がかかります。まずは生地を流し入れ、キャベツ、ネギ、タコ、揚げ玉、かつをぶしを順番に上からいれました。タコ担当の人はちゃんと穴に一つずつ入れなければなりません。その時点ですでに山のようにあふれていたので、ひっくり返すのもなかなか難しく、真ん丸にするのも難しいな、と子どもと一緒に竹串で格闘しました。ひっくり返す順番が後半のたこ焼きたちは少々焦げ気味。椅子が高くたこ焼き器を覗き込む格好になり顔も熱い。そのうち床に座りながらひっくり返しました。そうこうしていると、いよいよ1回目のたこ焼きが18個焼きあがり、待ってましたと乾杯をして「いただきます」。やはり焼きたてのたこ焼きは表面はカリッと中はしっとり。とってもおいしく、あっという間になくなってしまいました。
2回目・・・の前に。生地の中にキャベツもネギも最初から混ぜちゃったら入れるの楽で焦げずに素早くできるよ、との提案に2回目はそのようにして作成。1回目よりも上手にひっくり返し、より真ん丸のたこ焼きになりました。再び18個をお皿に移し、さあ食べよう、と思いましたが、子どもから「まって!食べる前に3回目の生地をもう入れて、食べながらひっくり返そう」との提案。よっぽど焼き上がりを待つのが長く感じるのでしょう。そうすることにしました。2回目のたこ焼きもカリッとしっとりおいしくいただけました。
しかし、それまで食べていた夫が、「紅ショウガが足りない!」と思い出したように言い出しました。うっかり忘れていました紅ショウガ。家にはストックもありません。今回はないままで我慢しようといいましたが、なぜか「たこ焼きには紅ショウガがないと。。。」と妙なこだわりを見せる旦那。じゃあ、買ってきて、ということになり3回目をひっくり返している間に旦那が近くのコンビニに紅ショウガを買いにダッシュ。紅ショウガ入りのたこ焼きは4回目から登場。紅ショウガ入りは嫌だという子どもと紅ショウガ入りがいいという旦那、どっちでもよい私と紅ショウガを入れる9個と入れない残りとして作成。しかしひっくり返しているうちに混ざってきて結局子供が食べたたこ焼きに紅ショウガが入っていたりと小さなたこ焼き器を囲む家族3人食べたりひっくり返したり、紅ショウガ入りたこ焼きを一口食べて交換したり、‘ゆっくりのんびり食べる夕食’とはなりませんでしたが、‘ワイワイ賑やかであわただしいゆっくり時間をかけられた夕食’となりました。その分アルコールもすすみましたが・・・。
最近お店でも列ができるほど人気の‘たこ焼き’。それに比べ自宅で作るたこ焼きは毎回出来も味も異なり、単品料理食事ではありましたが、共同作業で作って食べることができるこんな食事もたまにはいいなあ、とあらためて感じた夜でした。“たこ焼き”万歳!
吉岡有紀子(フォーラム理事)