第28回食育セミナー報告2012.8.6~8.7
研修会・セミナーの報告
第28回子ども自身がリーダーになる食育セミナー報告「ハート♥を食事でプレゼント!」
第28回子ども自身がリーダーになる食育セミナーが、川越市の社会福祉法人健友会みなみかぜ地域交流センターで、2012年8月6日(月)から7日(火)の2日間開かれました。このセミナーは長い間、宿泊で実施してきましたが、第27回セミナーより日帰り開催になりました。内容は昨年度と同様に「さかな丸ごと探検」の学習も入ったセミナーで、参加者は子ども13名、お姉さん役やキッチン担当学生10名、教材・資料作成学生8名、大人スタッフ14名、地域の方々4名、計49名でした。
セミナーに複数回参加している子どもたちは、初めての参加のお友だちや、お姉さん役の学生に教えたりと自信を持って行動している様子がたくましく、積み重ねの大切さを確認しました。子どもたちの食生活が身体づくり・心づくりの両面から、いろいろな問題をかかえていることが言われていますが、これらの問題を解決するために一番大切なことは、子ども自身、自分の食事を自分で責任を持って考え、実行する、そしてよいことをどんどん友だちや家庭や、地域の人々に伝えていくことです。
ここで、スケジュール概要をご紹介します。
1日目:元気に集合した子どもたちは開校式が終わった後、お姉さん役の学生も一緒のグループ(家族)で時間を過ごします。その後、みなみかぜの谷口施設長からお年寄りについての話お聞きしました。そして身体と心にとってよい食事の話とワーク、学習の成果も確認できる楽しみなバイキング昼食と、次々にスケジュールは進行します。午後は、「さかな丸ごと探検」の話の後、地域のお年寄りが訪ねてくださり、一緒におやつを食べながらお年寄りの生活や食生活について、子ども達がお聞きしました。夕食はさかなのメニューを取り入れた食事づくりに大奮闘!。
2日目:「おはよう」と集まった子どもたちは昨日と違い、リラックスした様子で友人やお姉さんたちと雑談しながら、田んぼ観察の時間を待っていました。案内役は、みなみかぜの田んぼを管理している後藤さんです。子どもたちは田んぼの生物に夢中で、泥んこもなんのその、お姉さんたちも一緒に泥パック家族になっていました。帰って少し休憩後「食べる人にあった食事づくり~ぴったり合ったお弁当」の学習です。学習を踏まえたお弁当を自分たちで詰め、「いただきます!」になりますが、その前にお弁当とのツーショット写真を撮影します。
これからが、このセミナーのメインイベント。昨日お話をお聞きした地域のお年寄りを思い浮かべ、プレゼントするお弁当のメニューづくりと料理づくり、お弁当に添えるカード作成です。まさに「ハートを食事でプレゼント!」です。
プレゼントしたお弁当で共食するパーティは、まさに子どもたち一人ひとりの特徴がコラボする瞬間です。お姉さん役の学生は、最初から子どもたちの様子に戸惑い、喜び、いろいろな体験をしますが、最高に感激するのは、この時間とお年寄りの方々に思いを込めてプレゼントしたときだと口々に言います。
あるグループのプレゼント(お弁当)には、その方が好きだと話されていたピンク色の洋服にちなんだ”サクラでんぶ”がごはんの上に散らしてあり、誕生日の日付が海苔で切り貼りされていました。お弁当を考えた理由など、子どもたちがスピーチする場面では、ひっこみじあんの子どもから積極的な子どもまで、自分の言葉で気持ちを表現している姿に、私たちも胸が熱くなりました。プレゼントされたお弁当を開いたときのお年寄りのお顔には、驚きと喜びが溢れていました。子どもなりに考え、一生懸命に作って詰めたお弁当は何よりと、大変喜んでいただけました。子どもたちの顔も達成感にあふれていました。
2013年度も8月7~8日に食育セミナーが開催されます。どんな子どもたちや地域の方々に出会えるか楽しみです。
文責:田中久子(フォーラム運営委員・女子栄養大学)